2009年12月10日木曜日

都道府県別出生率から考えたこと

相変わらず、民主党政権の少子化対策については、動きがありません。
前回の記事で、少子化対策というキーワードでニュースを見た場合に、まず目に付くのが韓国政府のニュースであるといいましたが、続いて多いのが、地方自治体(つまり都道府県や市区町村)の取り組みのニュースです。
ということで、今回は、都道府県別の少子化傾向を見てみましょう。
まずは、12/10の中日新聞から福井県の取り組みの記事から。
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 計画案によると、県のホームページに若者の出会いイベントや、結婚相談窓口の情報を集めた総合サイトを開設し、バラバラに発信していた情報を一元化する。また、現在200人ほどいる結婚相談員に加え、各地域で“縁談の請負人”として自発的に動いている人たちを認証して、働きを活発化してもらう。
(2009/12/10 中日新聞より)
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国の動きの遅さに比べ、各都道府県や市区町村での具体的な取り組みは、結構フットワークよく行われています。もちろん、国の政策でも、こうした具体的な取り組みを片っ端からやるのが良いとは言えませんが、少なくとも、地方自治体での個別の具体的な取り組みについてウォッチしていき、実効のあるものを国全体の対策にも取り込んでいくというのは、良いことでしょう。

ところで、この福井県、実は全国の中では、比較的出生率が高い県だそうです。
全国6番目。


(都道府県別合計特殊出生率(2007年) 平成21年版 少子化社会白書より)
そして、こちらは、市区町村別での上位と下位のランキング。


(平成21年版 少子化社会白書より)

しかし、何故、こうした地域の違いが出てくるのか?
このことを考えていくと、少子化という現象の根本的な原因を探せるのでは?
そして、その原因が見つかれば、対策の立て方が導き出されるはず。(もしくは実質的には対策を打ちようがないことが明らかになる?)

と思って、探してみたら、同じようなことを考える方がいらっしゃるもので、こんなサイトを見つけました。
「少子化問題についてのひとりごと」
そしてこのサイトの中に都道府県別の比較データが。
●大学・大学院卒の比率との比較
●女性の初婚年齢との比較
●女子労働力率との比較

既に10年ほどの前のデータですし、相関性についての検討が、統計的な手法でなく、見た目でしかないというところが分析としては、辛いところですが、しかしこの3つの比較データについては、考えさせられるものがあります。
「高学歴の人が多い地域ほど出生率が下がる」
なるほど!
「初婚年齢が高くなるほど出生率が下がる」
これもなるほど!大学・大学院へ進む率が上がり、キャリア志向になるほど、結婚して出産する機会が少なくなるという想像ができます。
ところがっ!
「女性の労働力化が進んでいるかどうかは、出生率との相関がなさそう」
上の2つ目までの話の流れからすると、女性の労働力化が進むほど出生率が下がるという結果を想像するのですが、どうもそう単純な話ではないようです。

もう一つ。大きな流れとしては、日本では、1960年代以降、景気の波の動きに関わらず、出生率が下がってきています。
このことからも、出生率の低下の根本原因が、「単純に経済的余裕がないこと」ではないことは明らかでしょう。

いくつかの「見た目のデータ分析」で、乱暴な結論を求めることは、危険なことではあり、あくまで個人的な仮説にすぎませんが、少子化の根本原因は「生活が厳しくても、多くの子供を作って育てあげるのが幸せな人生」という考え方が無くなっていることが、大きな原因ではないかと思っています。
そして、その背景は、「価値観の多様化」。「人生観の多様化」と言い換えても良いと思います。
多様な人生観を持つ社会的な余裕もなく経済的な困窮にあえぐ貧困国においての圧倒的な出生率。
そして経済的・文化的な成熟を見せる先進国での景気の波による影響と無関係な、長期的な出生率の低下。
この仮説で、その両方の現象を説明することも可能かもしれません。
(もちろん、死亡率や平均寿命の短いことと多産化という生物的な現象もあるとは思いますが)

子供を育てることの経済的負担を軽減することが無意味とは考えません。
「子供を作り、育てたい」という考えの人が、社会からいなくなっているということではありませんから、そうした人の気持ちを後押しする効果は確実にあるに違いありません。
しかし、長期の出生率低下傾向を上向きにする力は持たないと想像します。
子育てを支援する経済的な手当ての創設や、地域での保育支援の施設の拡充という方法自体を否定する必要はありませんが、その位置づけを、「社会全体で子供をたくさん育てていくことが幸せな社会であり、周りの人々も子育てする一家を支えていくものだ」という価値観の浸透を目指すためのものとして考えていくことが必要だと感じます。
おそらく鹿児島県大島郡は、そうした町なのだと思います。

(ああ、最後は精神論か。。。我ながらちょっとチープな理屈だとは感じながら、それでも真実に近いのではないかと思っています。)